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2017年8月28日ブラジルの映像製作会社Cafeteria Filmesさんが恵比寿の旧アトリエへ取材にお越しくださり素敵な映像を作ってくださいました。

唯一無二のものづくりを目指して

 

『ご挨拶』

当工房はオリジナル皮革製品の製造販売とオーダーメイドを主とした手縫いの革工房です。

1991年にオーダーメイドの皮革製品をつくり始めた当初から、純粋に良いものとは何か

長く使える丈夫さに加えて、姿、形、造りの美しさとは何かをただひたすらに追求し続け

今現在も試行錯誤しながら、そのものづくりに対する想いは何一つとして変わっておりません。

 

好きで始めた手仕事、生き方として選んだ生業ですので、自分の納得のいかないものはつくりません。

年々一つの製品にかける拘りが強くなり、一年間で数多くの鞄をつくることが出来なくなってきました。

生涯で製作できるのはきっと全ての製品を思い出せるくらいの数だと思うので悔いの残る仕事はしたくないと思っております。

 

オーダーの打ち合わせから、使用皮革他材料の仕入れ、型紙製作、裁断、縫製、仕上げと製作工程の全てを

私一人で責任を持って行っておりますので、細部にわたる木目細かい仕事が出来ると自負しております。

只その為、オーダーを頂戴してから完成品をお渡しできるまでに、とても長い時間を頂くことになってしまいます。

世界で唯一無二の製品をお渡しできるように一つ一つ手間を惜しまず、心を込めて製作しておりますので

何卒ご理解頂きますよう、お願い申し上げます。

(誠に申し訳ありませんが、今現在、新規オーダーのお客様には5年程お待ち頂かなくてはなりません。)

 

『オーダーについて』

納期についてご了承頂けましたら、オーダー内容について話をさせて頂くことになりますが

5年程待って頂いておりますと当初のオーダー内容に変更箇所が出てくると思います。

従いまして、最初は革の種類や質感を見て頂くとともに、つくりについての大まかな相談をお受けする程度にさせて頂き

本格的な仕様についての打ち合わせはお客様のオーダーに取り掛からせて頂く約半年前にさせて頂きたいと考えております。

 

オーダーの打ち合わせは私の工房でさせて頂きたいと思っております。直接お会いして言葉を交わしながら、打ち合わせを

させて頂くことによって、お互いの意思の疎通が図れますし、革や金具等の素材を在庫や資料の中から選んで頂けます。

その時点で当初考えられていた革の種類や色、デザインや仕様がまるっきり変わってしまうことも少なくありません。

せっかく世界で唯一無二のオーダーメイド品を製作させて頂くのですから、様々な素材の中から時間をかけてお客様が本当に

満足して頂けるものをつくり上げていきたいと思っております。

 

当工房では、今では入手不可能になった貴重な革や、オーダーで染めてもらったオリジナルの革も多数ございます。

そのような革は数年先まで残っているとは限りませんのでお客様の気に入った革がありましたら、正式オーダー前に

買って押えて頂く事も可能です。(但し、当工房は皮革に付加価値を付けて製品としてお渡しする工房ですので

後にオーダー自体をキャンセルされた場合でも皮革の引き渡し及び代金の返金には応じかねますので予めご了承の程

お願い申し上げます。)

 

『素材へのこだわり』

素材は可能な限り、自分で見て触って納得したものだけを仕入れております。

皮革は長い歴史と伝統を持つ世界でもトップクラスの欧州のタンナーの革を主に扱っております。実際にお客様が目で見て

手で触れて頂ければ、その風合いと肌理の細やかさから質の良さを実感して頂けるものと確信しております。

(尚、下記のブログに当工房で取り扱っている革の種類を載せておりますのでご覧頂ければ幸いです。)

Blog Designer Leathers GO : 鞄職人の日記

 

錠前等の金具類は真鍮素材のものを主に、イタリア、ドイツ、スイス、イギリス等のものを厳選して取り扱っております。

手縫い用の糸はフランス産の上質な麻糸やアイリッシュリネンを使用しております。

 

『仕立てのこだわり』

手縫いの良さを一言で言い表すなら、丈夫で美しいということでしょうか。

鞄を抱えて一目一目じっくりと縫い上げて行くので細部にまで目が届き、一目ずつ糸を締めるので革の柔らかさや

段差の厚みの違い等も力を加減をしながら縫うことができ、それぞれのものに適した繊細な縫い方が可能です。

またミシンでは縫えないつくりでも手縫いなら革への負担なく形にすることができ、手縫いならではの見せ方も

出来るので、美しい姿、形を作り出す事が可能になると考えています。

それでもミシンで縫う方が向いている素材や構造もございますので、そう判断した場合には必ずお客様のご理解を頂いた上

ミシンで仕立てる場合もございます。

 

次にコバ(革の切り口)の処理ですが、基本的には切り目の磨きで仕上げております。

この手法は、革の裁断面を包丁、鉋等で面取りし、接着した面の段差をなくして紙やすりで丁寧に整えてから

染色したコバを布海苔で磨きます。その後熱したコテで蜜蝋を溶かし込み、熱念で念引きすることによって

蜜蝋を奥まで染み込ませるのと同時に革の繊維を強く締める効果があります。更に再度、紙やすりで整えて蜜蝋を溶かし込み

磨くまでの工程を丹念に繰り返す事によって美しく丈夫なコバに仕上げられて行きます。

 

『アフターケア』

私のものづくりの理念とはつくり手がただ単にものをつくって売るという一方通行ではなく、使ってくださるお客様と私が

直接意見を交わし、お互いの想いを理解し合いながらより良いものをつくり上げていく共同作業によって初めて満足いく製品が

出来ると思っております。

出来上がった製品をお渡ししても、決してそれで終わりではございません。

定期的なメンテナンスや長年のご使用によって交換が必要になったパーツ等の修理も責任を持って行わさせて頂きます。

鞄が一生ものであるようにお客様お一人お一人とも末永くお付き合いさせて頂きたいと思っております。

 

このほか、ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

Designer Leathers GO

鞄職人 山下 剛